みなさんこんにちは!
Buddy’s Marketing JP CEO 岩月宥磨(Rocky)です。
本記事は、
・これからカンボジアでビジネスの展開を考えている方
・カンボジアでの現状のビジネスが上手く行っておらず、今後の方向性を考え直すための根拠がほしい
という方向けの内容となっております。
これまで私が経験したカンボジアでの調査、分析、戦略立案の事例を交えながら、
具体的な方法について説明していきたいと思います。
BUDDY’Sが実施する市場調査は、
主に下記の項目によって構成されています。
1,仮説調査
2,本調査
3,分析・ペルソナ設計
1,仮説調査 ~マーケティング調査は「仮説」がすべて~
市場調査の目的によって仮説の立て方も変わりますが、
どれだけ深い仮説が立てられるかが良い調査につなげる重要なポイントとなります。
仮説無き調査は無意味と言っていいほどだと考えています。
例えばカンボジアの日本食市場のアンケートの内容ひとつにしても、
仮説の有無によって変わります。
仮説が無い場合、
Q:あなたは日本食が好きですか?
Yes or No
のようなかなり”ふわっ”とした設問が並びがちです。
”ふわっ”とした設問には、”ふわっ”とした答えしか出てこないので、おすすめできません。
例えば、
・若い世代の多いカンボジアでは、日本食ブームは若くそれなりにお金に余裕が生まれる20後半~30代前半を中心に起こっているのではないか。
・カンボジアで流行している日本のマンガやアニメに出てくる日本食を見て興味をもっているのではないか。
という仮説があった場合、
Q:日本食を良く目にするきっかけは次のうちどれですか? ※複数回答可能
選択肢:Facebook、日本の漫画やアニメ、YoutubeやTikTokでの料理動画、テレビ・ラジオ、日本食レストランその他
のような若い世代に向けた、具体性の高い設問を用意することができます。
そしてもし仮説通り、「日本の漫画やアニメ」の回答数が多かった場合には、
・マンガコンテンツやアニメーション動画の制作・SNSでの投稿
・日本有名アニメとのコラボ製品開発
など、次の打ち手を決定づける根拠となるのです。
BUDDY’S にて制作したマンガ、アニメーションはこちら
しかしながら、、、
カンボジアには日本と比べて仮説を立てるためのデータベースや、
Google 検索での情報量が非常に少ないです。
そのためBUDDY’Sでは仮説立案のための簡単な現地調査を実施しております。
①BUDDY’S カンボジア人社員による、ワークショップ実施
→カンボジア人マーケティングチームにて、
調査専用のフレームワークを用いた分析ワークショップを行います。
②仮ターゲットへの聞き込み調査
→①で仮説立てたメインターゲットとなる顧客層を代表する人物を選定し、
聞き込み調査を実施します。
主にこの2種類の調査を実施し、仮説を立てていきます。
2,本調査 ~具体的なアンケート獲得方法について~
本調査の段階では、
仮説に基づいて作成したアンケート調査を実施します。
アンケート収集方法としては主に2つです
①聞き込み調査
②FBを活用したオンラインサーベイ
①聞き込み調査は、大型ショッピングモールやイベント会場にて実施します。
基本的には事前に用意したアンケートに回答していただく形ですが、
サンプリングを実施し、実際の商品を体験してもらうことも可能です。
また、「アンケートに回答すると、○○がもらえる」などのギフトキャンペーンを実施するのも、回答率を高めるための一つの手法です。
▼カンボジア大型商業施設イベント会場での聞き取り調査
②Facebookを活用したオンラインアンケート
カンボジアは人口約1,700万人に対して、
約1,500万人と、ほとんどの国民がFacebook利用者です。
そのためFacebook上で作成したアンケートを拡散することで、
多くの回答数を集めることができます。
Facebookでのアンケートにおいても、「回答者の中から抽選で○○名様に○○をプレゼント」
のようなプレゼント企画を実施することをおすすめします。
▼カンボジアの交通安全意識調査に活用したGoogle form画面
サーベイ調査を実施するうえで、
サンプルサイズ(何人の回答数を集めたらより正確な統計データとなるか)
を決めなければなりませんが、その決め方についてはこちらの記事を参照ください。
3,,分析・ペルソナ設計 ~どんな人がメイン顧客となるか?~
仮説立て、本調査が完了したら、
その結果を分析し、「どんな人がメインの顧客となりうるか?」を明確にしていきます。
調査後のマーケティング施策を立案するうえで、
What(何を? 商品やサービスの特徴や強み)
Who(誰に? どんな人物がメイン顧客となるか?)
How(どうやって? その人にどのようにメッセージを伝えていくか)
この3つを明確にする必要があります。
この市場調査では特に、Whoの部分を深堀していく作業です。
最終的な成果物としては、
ペルソナ(ターゲット顧客となる架空の人物像)と、
分析レポートとなります。
▼ペルソナ 例
調査結果をもとに、
自社の商品やサービスを支持してくれるであろう人物の、
デモグラフィックデータはもちろん。
名前や、人間性、週末の過ごし方、情報収集方法など細かく設定します。
ペルソナ分析を通して、より細かい情報を具体化することで、
「私たちの会社は、こういうお客様に喜んでもらえるように頑張ろう!」
という組織の共通認識の浸透に役立ちます。
そうすることで、よりメッセージ性が明確となり、
チーム内での施策選定がスムーズ且つ、クリティカルになりやすいのでおすすめです。
▼アンケート回収後の分析レポートの一部分
<最後に>
BUDDY’Sはカンボジアで一番カンボジアを理解している日系マーケティング会社になるべく、
日々努力を重ねています。
マーケティングには顧客理解が欠かせないとよく言われますが、
本質的な顧客理解はなかなか難しいですし、労力が必要です。
弊社では主にカンボジアに進出する日系企業を中心に、約30社以上のお取引経験があり、
各プロジェクトを通じて、カンボジアでの調査、分析、戦略設計、実行を繰り返してまいりました。
カンボジアでビジネスを成功に導きたい方々の、少しでもお役に立てたらと思います。
それでは、引き続きよろしくお願いいたします。